審美的な配慮

 

 これから治療を始めようと考えていらっしゃる患者さんは、歯並びが

気になる訳ですから、きっと毎日鏡にむかってるのではないでしょうか?

驚かれるかも知れませんが、しばしばワイヤを付けて間もない患者さんに

『周りの反応はどうですか?』とお聞きすると、『予想より全然気になら

ない!!と喜ばれる方や、『誰も気付いてくれない...』と残念そうに

お話される方さえいらっしゃいます。 

 我々は一種の職業病なので、ついつい他の人の歯並びが気になり口元に

目が行きますが、矯正に興味のない人(歯科医,衛生士,矯正経験のある

方以外)は、まず最初に口元を見る事はしないでしょう!? 

 つまり大きなお口を開けて見せびらさない限りほとんど気付かれないと

言う事です。


 

 とは言っても、やはり見た目を気にされる患者さんが多いのも事実なので、

まず最初に通常のメタルブラケットと見た目に配慮した審美ブラケットに

ついてご説明します。各々の利点/欠点は以下の通りです。


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メタルブラケット 利点:頑丈で歯が動きやすい

         欠点:少し目立つ


審美ブラケット  利点:装置を着けてる感じが少ない

         欠点:外れたり欠けたりする事が多い。

            治療期間が少し長くなる事がある。


当院での割合は、メタル:審美=4:6くらいでしょうか...!?



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 次に、治療方法による審美的配慮をご説明します。

軽くお口を開けた状態の左写真では、パッと見ワイヤーを着けているのが

分かりませんが、実は大きくお口を開けると、下顎は全ての歯に,上顎は

横の方の歯にワイヤーが装着されています。

 これは抜歯症例の場合、小臼歯を抜いて出来た隙間に犬歯を移動させる

ため、その間お口を開いた時に見える4前歯にブラケットを付けない治療

方法です。


 この方法であれば、通常2年間の治療期間の約半分くらいは見た目を気に

せず過ごせます。症例によっては、通常の治療方法に比べ若干期間が長く

なる事もありますが、それでも歯の裏側にワイヤーを付ける治療と比較した

場合、治療期間は短く、口内炎が多発したり発音・摂食障害など、日常の

生活で患者さんが強いられる負担が軽いのは、言うまでもありません!!



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 ここで、皆さんと一緒に考えたいと思いますが、本当に矯正治療は

恥ずかしいものでしょうか? 私は悪い歯並びを放置しておく事の方が

余程恥ずかしい事だと感じます。欧米では子供の歯並びが悪いのは親の

責任と言う考え方が確立されているので、社会人になる前に治療を終わ

らせるケースが多いようですが、残念ながら日本ではまだこの考え方は

浸透してない部分もあるようです。


 この写真の患者さんは20代女性 もちろん日本人です。

スピードを優先するためにメタルブラケットを選択され、『どうせやる

なら楽しまなくちゃ!!と赤・青・緑 etc...とゴムの色を毎回変えて

楽しんでいらっしゃいました。よく見るとお分かりになると思いますが、

クリスマスの時期には赤と緑のコンビネーションにされてました。

 普通は見た目を気にされる方が多いのに、しかもファッションにも

敏感なお年ごろの女性が、ここまでポジティブになれるんだなぁと、

治療してていつも嬉しく感じました。


 皆さんもこんな風に少しずつ発想の転換もして見てはいかがですか!?




 

 最後に、どうしてもワイヤーだけは着けたくないという患者さんに、

日本では私が在籍していた昭和大学歯科矯正学教室(槇 宏太郎教授)が

率先して研究を行っている『マウスピース型矯正装置(インビザライン)』

をご紹介いたします。


 

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 この方法は、基本的にはワイヤーを装着せず、アライナーと呼ばれる

透明な着脱式のマウスピースを用いる治療法です。

 最大の利点は、『着脱式』であると言う事です。例えば、治療途中で

ご結婚が決まられたとしても、写真撮影の時どうしよう...? とか

お悩みする事なく治療を始められます。

 しかし『着脱式』と言うのは、ともすれば最大の欠点にもなりかねます。

これは、患者さんが使ってくれなければ、歯は動かない!! と言う事です。


 ワイヤーによる治療と比較して、利点・欠点は以下の通りです。


利点

1 透明感があり、治療中も目立たない。 

2 着脱式である。

 a )食事の制限がない (食事の時は装置を外すので、お好きな物が食べ

            られます)

 b )衛生的である (歯磨きがしやすくなり、歯肉炎が軽減されます)

 

3 違和感が少ない。


欠点

1 装着時間が1日20時間以上で、患者さんの協力が絶対条件です。

2 歯の動かし方に、若干の制限が有ります。症例によっては、補助器具が

 必要な場合もあります。

3 着脱のコツを掴むまで、少々時間が掛かる場合があります。



歯の裏側にワイヤーをつける治療方法に比べて、マウスピースでの治療は

食事や発音などの日常的な負担が少ないだけでなく治療費の負担も少ない

ため、見た目を気にされる患者さんには、お勧めの治療法です!! 


しかし、最近では一般歯科でも『はめるだけ』とお手軽なイメージでお勧め

している所もあるようですが、矯正治療はそんな簡単なものではありません。

アライナー(マウスピース)は、医院で歯型をスキャンした後にデーターを送り、

歯の移動のシュミレーションに基づき作製されます。

しかしながら、シュミレーションを作製するのは専門のテクニシャンであって、

ドクターでは無いのです。従って、コンピューター上のシュミレーションと

実際の歯の動き方には隔たりがある事も多く、通常のワイヤーによる治療の

経験と専門の知識,さらに歯の動かし方のクセを熟知していないと、無理の

ない実現可能な歯の移動には至りません。

 

マウスピースの治療にも苦手な動かし方あるのも事実です(もし治療費の

負担が若干少ないとしても、それをちゃんと説明出来ない医院では治療を受けて

頂きたくないのですが...)。

しかし、冒頭でも触れましたようにマウスピース型矯正装置(インビザライン)は

日本では私が在籍しておりました医局が研究開発を進めているため、当院では

最新の情報を元に、他の歯科医院では非適応症と判断されるようなかなり

ガタガタのひどい患者さんにも治療が可能です。

 


見た目を気にされる方は、是非一度お気軽にご相談下さい !!